日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。
今回ご紹介するのは、『随自意御書』の一節です。
御遺文 原文
法華経と申すは随自意と申して仏の御心をとかせ給う。仏の御心はよき心なるゆえに、たとい、しらざる人も此の経をよみたてまつれば利益はかりなし。
・御遺文名『随自意御書』
・弘安元年(1278年)
・日蓮聖人 57歳
御遺文 現代語訳
法華経という経典は「仏陀の御心(みこころ)そのままに随う」という意味で説かれたものである。
釈尊の「御心」は、気高く尊い心であるから、たとえその教えの深さをわきまえぬ人であっても、この法華経を拝読すれば、その功徳は計り知れないのである。
御遺文 解説
複雑な機械も、部品がバラバラでは大きな働きはしません。ひとつひとつの部品が集合して、大きな働きとなります。
私たちひとりひとりの心も同様です。
お釈迦さまの最高の教え「法華経」を複雑なものと解釈していたのでは、その真髄に到達することはできません。
私たちは、日蓮聖人が命懸けで弘められた法華経を、素直な心で信じきることが大切です。
信じきることで得られる法華経の功徳は計り知れないのです。
南無妙法蓮華経
【参考文献】
「1日1訓 日蓮聖人のお言葉」
著:渡辺宝陽
発行:日蓮宗新聞社
「1日1訓 日蓮聖人のお言葉」
著:渡辺宝陽
発行:日蓮宗新聞社