日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。
今回ご紹介するのは、『妙一尼御前御返事』の一節です。
御遺文 原文
親の子をすてざるがごとく、子の母にはなれざるがごとくに、法華経・釈迦・多宝・十方の諸仏菩薩・諸天善神等に信を入れ奉りて、南無妙法蓮華経と唱えたてまつるを信心とは申し候なり。
・御遺文名『妙一尼御前御返事』
・弘安3年(1280年)
・日蓮聖人 59歳
御遺文 現代語訳
親が子供を絶対に捨てることがないように、子どもが母から離れることがないように、法華経・釈迦・多宝如来・十方の諸仏、菩薩・諸天善神に信を打ちこみ、南無妙法蓮華経とお唱えするのが信心なのである。
御遺文 解説
信心とは、私たちの身近な愛情よりも強い思いを持って、法華経の世界に打ち込み南無妙法蓮華経をお唱えすることです。
しかし、私たち凡人は理想通りにはいきません。苦しいときは必死に手を合わせ、平凡な日が続くとおろそかになる。
日蓮聖人は「凡人は一時的には火がついたように熱中するけれど、大変冷めやすいものだ」と。
そして「水のごとく静かだが、しかしいつも深く深く信仰を掘り下げ、強く信仰を持続していかなければならない」とおっしゃっています。
南無妙法蓮華経
【参考文献】
「1日1訓 日蓮聖人のお言葉」
著:渡辺宝陽
発行:日蓮宗新聞社
「1日1訓 日蓮聖人のお言葉」
著:渡辺宝陽
発行:日蓮宗新聞社