行学の二道に励むべし|日蓮聖人【御遺文】

日蓮聖人のお言葉

日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。

今回ご紹介するのは、『諸法実相鈔』の一節です。

 

御遺文 原文

一閻浮提いちえんぶだい第一の御本尊を信じさせ給え。あいかまえて、あいかまえて、信心つよく候て三仏の守護をこうむらせ給うべし。

行学の二道をはげみ候べし。行学たえなば仏法はあるべからず。我もいたし人をも教化候え。行学は信心よりおこるべく候。

力あらば一文一句なりともかたらせ給うべし。

・御遺文名『諸法実相鈔』
・文永10年(1273年)
・日蓮聖人 52歳

 

御遺文 現代語訳

私たちが住む世界の第一の御本尊を信じなさい。しっかりした心構えで、信心を強くして、三仏(教主釈尊・多宝如来・十方分身の諸仏)の守護を受けなさい。

法華経の行いと習学との二つの道を励みなさい。その二道が行なわれなくなったならば、仏法は存在しなくなる。だから、自分自身も二道を励み、他人に対して教え導きなさい。行学の二道は信心から起るのである。

自分の力のなかで、たとえ一文一句であっても語りなさい。

 

御遺文 解説

まず第一に法華経の信仰者として、日蓮聖人が書きあらわした大曼荼羅御本尊を信じることが重要です。

そのうえで、御守護いただくために教えを実践し教えを学ばなければなりません。そういった努力を重ねる原動力が信心なのです。信心がなければ、行学の二道を行うことはできません。

また、行学の二道に励むなかで、自分のできる範囲で周りの人にも教えを与えることが大切であると、日蓮聖人はおっしゃっています。

 

 

南無妙法蓮華経

 

【参考文献】
「1日1訓 日蓮聖人のお言葉」
著:渡辺宝陽
発行:日蓮宗新聞社