悪の中の大悪は、我が身にその苦をうくるのみならず、子と孫と末え七代までも、かかり候いけるなり。

日蓮宗の開祖である日蓮聖人が遺したお言葉は、心豊かに生きる知恵が詰まっています。

今回ご紹介するのは、『盂蘭盆御書』の一節です。

 

原文

悪の中の大悪は、我が身にその苦をうくるのみならず、子と孫と末え七代までも、かかり候いけるなり。善の中の大善も、またまたかくのごとし。目連尊者が法華経を信じまいらせし大善は、我が身仏になるのみならず、父母仏になり給う。上七代下七代、上無量生下無量生の父母等存外に仏となり給う。

・御遺文名『盂蘭盆御書』
・弘安3年(1280年)
・日蓮聖人 59歳
・治部房日位祖母 宛

 

現代語訳

悪の中の大悪は、我が身にその苦しみを受けるだけではなく、子や孫へ七代先の子孫にまで受けることになる。

一方で、善の中の大善もまた同様である。

目連尊者が法華経を信じることによって積んだ大善は、我が身が成仏するのみならず、父母もまた成仏できるのである。

そればかりか上は七代前の祖先、下は七代先の子孫、さらには無量の父母や先祖、子孫などがすべて予期せず成仏できたのである。

 

解説

日蓮聖人の弟子である治部房日位南の祖母に宛てたお手紙の一節です。

そのお手紙のなかで、日蓮聖人はお盆の供養品へのお礼を述べ、加えて盂蘭盆の起源や意義を書かれています。

盂蘭盆の起源は、お釈迦さまの十大弟子のひとり、目連尊者が餓鬼道に堕ちた母を救おうとした故事に由来することをふまえて、目連尊者が法華経を信じた功徳によって自身が成仏し、同時に両親をはじめ先祖、子孫も成仏できたことに触れています。

私たちの命は、両親からいただいた命であり、ご先祖さまからいただいた命であります。
お盆の時期に、改めて感謝したいものです。

 

 

南無妙法蓮華経