子育てを考える

圓福寺だよりコラム「仏音」
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column No.009

 

5月12日、例年どおり当山において、鬼子母神お弟子祭りが盛大に行なわれました。

当山に奉安されている鬼子母神さまのお弟子にお申込みされた数え年14歳までのお子さんが、一年間心身共に健全に成長することを祈念するために行われております。

子供は誕生してから成長期が非常に大事な時期であると昔から言われてきましたが、本当にそう感じます。

子供が病気になったり、非行化したり精神的に歪んだり、どこか片寄った心身になるというのは、成長期に何らかの問題・原因があったというのがほとんどだと思います。子供を立派に育てるということは両親及び大人の義務のようなものです。

人間は誕生より成人まで段階的に成長します。生まれてから7歳くらいまで、乳歯から永久歯に変わる時期は内体に関することが育成され、重要な身体の器官はこの時期に発育します。

 

真似されて困ることはしない

そして、この時期は物真似の衝動が強く、子供は自分が見えるものは全て真似してよいもと思っているそうです。

何でも真似をするのです。

そのため、両親や周囲の大人は、子供に真似されては困るような行いをしないことです。子供に楽しさと喜びを与えるように専念することです。

訓戒や命令、禁上の言葉などは何の役にも立ちません。かえって苦痛、苦悩を与え悪影響です。病気になることもあります(親が子供を常に厳しく怒りつけると喘息になる場合もある)。

また玩具なども出来上がった高価な物でなく、自家製品など想像力を目覚めさせるようなものを与える。そうすると身体の器官も活発になり、丈夫になり能力も引き出せます。

女の子は7歳から14歳、男の子は7歳から16歳くらいまでの時期は権威、信頼、尊敬の気持が大切といわれています。

歴史上の人物や、文学作品などの立派な人物の話をすること、親戚や知人に立派な人がいれば話しても良いでしょう。子供はその人物に批判的、敵対的な考えを持たなくなる。もしそのような人に会うことがあれば、その人に尊敬の念を持つようになり、やがて自分の理想像を自己の内面に作り出すでしょう。

 

子供にとって最高の人生を

鬼子母神お弟子祭りを通じて、このような育て方を普段の生活に活かしてもらえればと思います。

そして最も大切なことは神仏に手を会わせる気持を起こさせることであることは言うまでもありません。

鬼子母神さまのご縁日は八、十八、二十八日です。8のつく日には、できるだけお子さんを連れてお寺へお参り下さい。親が神仏に手を合わせること子供も真似をします。

そしてお釈迦さま、鬼子母神さま、他の守護神、日蓮聖人など立派な神仏のことを話すことによって子供は尊敬の念を持ち、自分の理想像としてとらえるでしょう。

そうなれば子供にとって最高の人生を歩むことが保証されたようなものです。

 

 

平成08(1996年)年07月13日発行 第33号より