Column No.055
前号では、日蓮宗修法(祈祷)の五段の因縁について、生霊まで述べました。
五段の因縁とは、死霊・生霊・コ著(動物霊)・疫病・咒詛の5つのことをいいます。
今回は、3番目コ著から説明していきます。
コ著について
コ著・・・動物霊のこと。
※ コ著のコは、ケモノヘンのみ→
動物を虐待すると恨まれることがあります。
私たちは、鳥・動物などを食材として頂き命を繋いでいます。感謝の気持を忘れてはならないのです。
食材に感謝、供養する心を持ちたいものです。
疫神について
疫神(疫病)・・・流行病(はやりやまい)。
疫神は、はやり病、風邪、風疹他、多くの人が感染するような病気、また人の心を操ったり、群集心理を煽るような、多くの人の心を動かし悪さをします。
疫神は、次の5番目の咒詛とともに、魔などの強い力を持った悪魔が関わっています。
咒詛について
咒詛・・・相手を呪うこと。
これは非常に強い念です。恨みの強いものです。
人間が強い恨みを持つと、鬼や魔がその思いに乗って実際に人間を使い悪い行いをさせるのです。
世間では日常的に嫌な事件・事故など数多く起きています。世界を見れば紛争のない地域はほとんどありません。これも悪い考えを持ったり、執着心の強い人間に頼ってやらせているのです。
鬼・魔は正しいこと、綺麗なことは大嫌いです。逆に、悪いこと・汚い所・暗い所が大好きです。深夜などは特に気をつけなければなりません。
そのため、世の中を良くしようとがんばっている人、奉仕をしている人が大嫌いで邪魔をします。世の中が平和になっては困るのです。立派な宗教家、偉人と言われる人は必ず迫害、困難がつきものです。
なかには、一生懸命に世の中のため奉仕している人でも余り困難にあわない人もいます。また、事故などで運よく助かる人もいます。このような人は過去世からの罪が少ない人だといえます。これが仏教の考えです。
過去の罪を懺悔することが大切
天台大師は「法華経の信仰には過去の罪の懺悔を一緒にしなさい」とおしゃっています。
信仰しても過去の罪があると、それが原因で結果として悪い状況になるのです。
日蓮聖人は「この世は第六天魔王の所領なり」と述べられ、目に見えない悪魔が支配しているというのです。
そういった悪霊の難に遭わないように、過去の罪、自分に係わる先祖の罪をよくお詫びし(自分にどのような罪が過去にあるのか誰も分かりませんが、大勢の先祖の中には罪深い人が必ずいるはずです。)正しい考えをもって生活していく ことが大切です。
Column No.046 テレビ番組で、圓福寺のお守りである「懺悔守り」が紹介されました。 近年、少しずつですが多方面で紹介されるようになったのは、懺悔することの大切さを感じる人や、懺悔したいと思う人が多くなっ[…]
平成30(2018年)年07月01日発行 第81号より