なぜ塔婆を建てて供養するのか

圓福寺だよりコラム「仏音」
Column No.039

 

彼岸・お盆・年回法要などに、お塔婆を建てて供養します。

では、なぜ塔婆を建てて供養するのでしょうか。

 

塔婆供養とは

法華経には「塔を建てて供養ずべし」と説かれています。

他のお経にも、塔婆を建てて供養するのを見るだけでも良い功徳が得られる、と説かれています。

まして自分で塔婆を建て供養すれば必ず地獄・餓鬼・畜生の三悪道を免れて大いなる安心、喜びが得られる功徳があると説かれています。

 

塔婆と法華経、最高の供養になる

日蓮聖人は、「中興入御消息」で、

「塔婆をたてて、其面に南無妙法蓮華経の七字を顕わしておわしませば、北風 吹けば 南海のいろくづ(魚類)、其風にあたりて大海の苦しみをはなれ、東風きたれば西山の鳥鹿、其風を身にふれて畜生道を免れて都卒の内院に生まれん。いわんやかの塔婆に随喜をなし、手をふれ眼に見まいらせ候 人類をや。過去の父母も彼の塔婆の功徳によりて天の日月の如く浄土をてらし、孝養の人並びに妻子は現世には 命を百二十年持ちて、後生には父母とともに霊山浄土にまいり給はん事、水すめば月うつり、つづみをうてばひびきのあるがごとしとおぼじめし候え等云々。」

と言われ、塔婆建立の功徳を述べられています。

表に南無妙法蓮華経を書き、塔婆を建てれば、南の海の魚類も北の山の動物達も、その風に触れて、天上界に生まれ変わるといわれ、又、私たちが塔婆を建て供養ずれば百二十年の寿命も得られると。

そして私たちが亡くなったあとも、父母と共に霊山浄土へ行くことは間違いないと言われ、妙法蓮華経で読誦ずれば最高の供養になるのです。

私たちも塔婆供養の有り難さを信じ、先祖等の供養を続けたいものです。

 

 

平成22(2010年)年01月01日発行 第64号より